従来「あたりまえ」とされていた業務を徹底的に見直し



ビジネス・トランスフォーメーションの機運を大学全体に波及させました。

東北大学のDX推進体制の構築

2020年6月1日に発出したオンライン事務化宣言で掲げた「窓口フリー」「印鑑フリー」「働き場所フリー」に対応した3つのワーキンググループ(WG)と、データを活用した経営戦略の実現を推進する「経営戦略データベース構築プロジェクト・チーム」を設置し、総勢56名からなるメンバーによって相互に連携しながらDXによる先導的な業務改革を推進しました。

2020年度の主な取組みと成果

プロジェクトチーム結成初年度である2020年度、各WGとチームでは以下の内容を達成しました。
更に、プロジェクトチームメンバーの公募制など、本学の取り組みや成果が起点となり、他の大学にもDX化が波及するという副次的効果も生まれています。

窓口フリーWG

オンライン窓口を実現するために、東北大学に存在する窓口業務の洗い出しを実施。

2021年3月、全学を対象とした日本語・英語・中国語の3か国語対応チャットボットを国立大学法人で初めて導入。これにより、手元のスマートフォン・パソコンと窓口がシームレスにつながり、情報へのアクセス性が飛躍的に向上。
いつでも誰でもどこからでも、所望する情報に即座にアクセス可能なオンラインカウンターが実現。

印鑑フリーWG

学内に存在する「押印」を、「発生源の押印」「決裁印」「公印」の3種類に大別して整理。

「発生源の押印」については、2021年3月時点で126の様式について押印廃止を達成。
「決裁印」については、グループウェアのワークフロー機能を用いることで、段階的な電子決裁への移行を実現。
「公印」については、慣例の見直しや公印省略を促進。

あらゆる業務の効率化を進めるため、手続きのオンライン化や電子決裁システム化などの検討・提案を実施。

働き場所フリーWG

本学が目指す「働き場所フリー」を定義し、コロナ禍におけるテレワーク運用上の問題点を精査。
恒久的な制度としてテレワークを導入するためにクリアすべき課題を洗い出し。
課題解決の一環として、学内外から利用可能な仮想クライアントの性能強化と、カメラ・マイク付きPCの一括調達を計画。

2021年3月までにテレワークに関係する規程やマニュアルを整備し、2021年4月、テレワークおよびフレックスタイム制を制度化。

経営戦略データベース構築プロジェクト・チーム

2020年8月、経営戦略データベースに投入した学内、学外データを統合・連携することで、女性教員や外国人教員の比率、外部資金獲得額、研究力指標など、様々なデータを学部・センターなどの部局単位で見える化。
経年推移に加え、全学平均との比較を可能にすることで、部局運営の客観的な指標の共有を実現。

2020年10月、本学を取り巻く各種KPIを見える化したデータを学内向けに公開するWebサイト「東北大学ダッシュボード」を稼働。
大学全体の進捗状況だけでなく、部局単位での進捗把握が可能となり、部局の運営方針検討に貢献。

2021年3月、第3期中期目標・中期計画、指定国立大学法人構想調書KPI、全53項目の見える化を達成。